自信と勇気を取り戻した大迫は、プレーへの迷いが少なくなってきた。以前ならばパスが出てこないと立ち止まったり、焦って色々な場所に顔を出していたが、いまは落ち着いて次のプレーに移るようになった。そして、前線から精力的に守備をし、ボールを奪うとすぐに攻撃へと走り出す。ミスが少なく、攻撃の起点になることができる大迫に、自然とボールも集まるようになった。
そして、大迫がスタメンに名を連ねるようになった28節から最終節までの7試合、ケルンは2勝4分け1敗という好成績を残し、無事に1部残留を遂げたのだった。
大迫の今季の課題は、攻撃の軸としての得点力だろう。ボールを収めて展開したあとに、もう一度ゴール前でボールをもらう頻度が高まれば、ゴールも自然と増えてくるはずだ。それは本人の努力だけではどうしようもないところもあるだけに、味方との連携を更に深めながら、決定的な場所に入る感覚を研ぎ澄ませていきたい。(文・中野吉之伴)